■ 結論:認められたAIが複数あるなら、重い「下調べ」は別のAIにやらせ、最後の「仕上げ」だけClaudeに渡す

Claudeは使い勝手の良いAIですが、プランによっては利用量に上限があり、長く使っているとリミットに近づいて続けにくくなることがあります。そんなときに効くのが、作業を「下調べ」と「仕上げ」に分けて、下調べを別のAIに肩代わりさせるやり方です。第2回でお伝えした「Claudeは会話を全部覚える=トークンを使う」という理屈の、応用編にあたります。

ただし大前提がひとつだけあります。使うのは「会社が認めたツールだけ」。ここはあとで詳しく触れます。

 

■ なぜ「下調べを別AIに」で節約になるのか

Claudeは、そのチャットでのやり取りを最初から全部覚えながら返事をします(=コンテキスト=トークン)。やっかいなのは、1往復ごとに過去のやり取りを丸ごと読み直していること。つまりチャットが長くなるほど、後半の1往復はどんどん「重く」なっていきます。

ところが、調べものというのは往復がいちばん多く、読ませる文章もいちばん多い、最も重い工程です。記事を何本も読ませ、要約させ、「ここをもう少し」と何度もやり取りする――この重い往復をすべてClaudeの中でやると、肝心の「仕上げ」にたどり着く前に、チャットがパンパンに膨らんでしまいます。

そこで、重い下調べはClaudeの外(別のAI)で済ませ、きれいに整理した要点だけをClaudeに渡す。すると、その重い往復ぶんをまるごとClaudeに持ち込まずに済むので、Claude側の消費が大きく減ります。

 

■ 具体例:「新しい制度を調べて、顧客向けの説明資料を作る」

作業を2つに割ってみます。

・下調べ(別AIでやる):ネット検索、記事を何本も読ませる、論点の洗い出し、要約。往復が多く、読ませる文章も大量で、いちばん重い工程。
・仕上げ(Claudeでやる):整理済みの要点だけを渡して、ISAO式の体裁・トーンで資料に清書。往復は少なく、質で勝負する工程。

トークンの目安をイメージで並べると――

【全部Claudeでやる場合】
下調べ(記事10本読込+15往復)でClaude側に約40,000、その重いチャットの上にさらに仕上げが乗る。合計の目安は約45,000以上。

【下調べは別AI → 仕上げだけClaude の場合】
下調べはClaude側ゼロ(別AIが処理)。Claudeに渡す要点メモは約1,500。仕上げの5往復は軽いチャットで約6,000。合計の目安は約8,000。

数字はあくまでイメージですが、Claude側の消費はざっくり5分の1。上限に当たるまでの「持ち」がまるで変わります。ポイントは、下調べの重い往復ぶんを、まるごとClaudeの外に追い出せること。これが効きます。

 

■ 大前提:使うのは「会社が認めたツール」だけ

ここがいちばん大事です。便利だからといって、会社が認めていないAIに会社の情報を入れた時点で、それは「シャドーAI(無断利用)」になります。どれだけ節約できても、これだけはやってはいけません。

幸い、多くの会社ではGemini(Google系)かMicrosoft Copilotのどちらかが、基盤としてすでに導入済みのはずです。会社で正式に使えるAIがClaude以外にもあるなら、その認められたAIに下調べを寄せるのは問題ありません。逆に、会社で使えるのがClaudeだけ、あるいはよく分からない場合は、外に出さないのが正解。その場合は第2回の「引き継ぎプロンプト」や「チャットの分割」で、Claudeの中だけで節約してください。

もうひとつ、トークンとは別の注意点。下調べが公開情報の整理くらいなら別AIでよくても、顧客名・社外秘・個人情報が混じる作業は、データの扱いを会社が確認済みのツール以外には入れないこと。「節約のために大事な情報をばらまく」が、いちばんやってはいけないことです。

 

■ 法人で使っている方へ

会社でClaudeのTeamプラン(利用量に上限あり)や、Enterpriseプラン(API課金だが、上限を設定している会社もある)を使っている場合、上限が厳しめのときほどこのやり方が効きます。会社が認めているGeminiやCopilotで下調べをやり尽くしてから、最後の仕上げだけClaudeへ。リミットで困っている方は、ぜひ一度試してみてください。

 

■ 個人で使っている方へ

個人のClaude Pro(月20ドル)でも、使い込むと上限は意外とすぐ来ます。そこで、Gemini・Copilot・ChatGPTのうち、もう一つを「控え」として持っておくのがおすすめです。個人利用ならそちら側は上限に当たりにくいので、重い下調べを控えのAIに寄せておくと、全体がぐっと回しやすくなります。やることは法人と同じ。下調べは控えのAIで、仕上げはClaudeで、です。

 

■ まとめ

・Claudeは1往復ごとに過去を全部読み直すので、往復の多い「下調べ」がいちばん重い
・重い下調べを別AIに肩代わりさせ、整理した要点だけClaudeに渡すと、Claude側の消費はざっくり5分の1
・大前提は「会社が認めたツールだけ」。認められていないAIに会社の情報を入れたらシャドーAI
・会社で使えるのがClaudeだけ/不明なら、外に出さず第2回の方法(引き継ぎプロンプト・分割)で節約
・社外秘・個人情報は、扱いを確認済みのツール以外に入れない
・法人は会社公認のGemini/Copilotで、個人は控えのAIで下調べ。仕上げはどちらもClaudeで

「下調べは軽く別AIで、仕上げはClaudeで。ただし“会社公認”の範囲で」。これだけで、Claudeのリミットに悩まされる場面はぐっと減ります。

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