一言コメント:これはとても面白い事例です。前の記事(Gartnerの「7割が放棄」)ともつながる話で、結局やるべきことは、外の専門家に頼り続けるのではなく、自分たちでできるようにするか、あるいは業務ごと完全に任せてしまうか、そしてAIで全体のコストを下げること。河内長野市は「自分たちでやる」を選びました。
<ニュース概要>
大阪府河内長野市は、2027年度以降に策定する行政計画について、コンサルティング会社への委託に頼らず、職員が主体となって作る方針を打ち出しました。日本経済新聞や産経新聞は「脱コンサル」「委託費の節約」として報じています。これまで外部に任せていた基礎調査、データの整理、計画の骨子や原案づくりを、生成AIを使いながら職員自身が行います。一方で、専門性の高い助言や、計画の客観的な検証については、引き続き外部の専門家を活用するとしています。全面的に外注をやめるという話ではなく、「作る部分は自分たちで、見てもらう部分は外に」と役割を分け直した形です。なお、これは方針の表明であって、2027年度から実際に運用が始まる段階の話です。成果(どれだけ費用が減ったか、計画の質がどうだったか)はこれから見えてきます。
<あなたが明日からできること>
【バックオフィスはこう変わる】
管理部門にも「毎年、外に頼んでいる文書づくり」がいくつもあります。中期計画の資料、規程の改定案、調査レポート、研修資料。河内長野市がやろうとしているのは、こうした仕事の「下書きまで」を自分たちでAIと作り、「仕上げの確認」だけを専門家に頼む形です。委託費が丸ごと消えるわけではありませんが、払う相手が「全部やる人」から「見る人」に変わると、金額も、社内に残る知識も大きく変わります。
【バックオフィスが押さえるべきポイント】
自治体が公の方針として踏み切った意味は、「職員がAIで作った計画でも、外部の検証を通せば品質を担保できる」と判断したことです。会社でも同じで、「AIで作った資料は信用できるのか」という問いに対して、「作るのは自分たち、検証は専門家」という分け方で答えを出せます。ポイントは検証の工程を省かないこと。省くと、品質の責任を誰も持たない資料になります。
【今日からの5分トライ】
自部署で「毎年、外に頼んで作ってもらっている文書」を1つ思い出し、その作業を「調べる」「整理する」「下書きする」「確認する」の4つに分けてみてください。最初の3つのうち、AIを使えば自分たちでできそうなものに印を付けるだけで、来年の委託の形が見えてきます。
【中長期でこうついていく道筋】
まず1本、下書きまでを自分たちでAIと作り、仕上げの確認だけを今の委託先に頼んでみるのが現実的な第一歩です。その結果を見て、翌年は2本、3本と広げる。河内長野市も2027年度から始める段階で、いきなり全部を切り替えるわけではありません。自社でできる範囲を一つずつ増やし、外に頼む部分を「全部」から「検証」へ絞っていくことが、委託費を下げながら社内に知識を残す道です。
<出典>
出典:日本経済新聞・2026年10月5日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF058JW0V01C26A0000000/
関連:産経新聞(Yahoo!ニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/9dacaeba4173aa44f5b6e0e22878a39b34b13faf
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