<ニュース概要>
今週のGoogleは、新モデルの投入からユーザー数の大台接近、利用実態の調査、自社チップ、さらにドラクエとのコラボまで、攻めと足元固めが同時に走った一週間でした。とくに注目は、コストと速度で攻めるFlashシリーズの新モデル3種です。
1.【注目】GoogleがGemini Flashシリーズ新モデル3種を発表
最上位のProが遅れる一方で、Googleは「速くて安い」Flash系を先に3つ投入してきました。(1)Gemini 3.6 Flash(主力)はコーディングやマルチモーダルを底上げしつつ、3.5 Flash比でトークンを最大65%削減し、価格も入力100万トークンあたり1.5ドル/出力7.5ドルと3.5 Flashより安価。(2)Gemini 3.5 Flash-Lite(最速・最安)は毎秒350トークンの高速処理で、入力0.3ドル/出力2.5ドルの最安クラス。エージェントの検索や大量の文書処理向きです。(3)Gemini 3.5 Flash Cyber(サイバー特化)は脆弱性の発見・修正に特化し、当面は政府や信頼できるパートナー限定で提供されます。狙いは明確で、フラッグシップの性能競争ではなく「効率とコスト=トークン経済で勝つ」戦略。管理部の視点では、高価な最上位モデルを使わなくても、用途を絞れば十分な精度を大幅に安く回せる選択肢が増えた、という点が実利的です。
出典:Google公式ブログ・2026/7
https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/gemini-models/gemini-3-6-flash-3-5-flash-lite-3-5-flash-cyber/
2.Google Gemini、月間ユーザー9.5億人突破
Geminiの月間ユーザーが9.5億人を突破しました。前年比で3倍(2月時点は7.5億人)という急成長で、10億人の大台が目前です。市場シェアでも変化が起きており、Sensor Towerの分析ではChatGPTのシェアが初めて50%を割り、Geminiは27.7%まで上昇。検索・Gmail・YouTubeなどGoogleの既存プロダクトとの一体運用が効いています。「AIアシスタントはChatGPT一強」という前提が崩れ始めた、という勢力図の変化として押さえておきたいニュースです。
出典:TechCrunch・2026/7/23
3.Geminiの利用実態調査「Google’s ATLAS」
Googleが、1,500万件ものAI会話を分析した利用実態調査「ATLAS」を公表しました。もっとも目を引くのは、AIとの会話の約86%(PDFでは86.5%)が「仕事の外」で行われているという事実。職場での利用でも、AIが担っているのはタスクの約21%にとどまり、完全な自動化は1割未満でした。米国雇用の約9割をカバーし、150カ国以上・英語は全体の約3分の1という広がりも示されています。「AIが仕事を根こそぎ奪う」というイメージとは裏腹に、実際は人の作業を部分的に助けている段階だ、という冷静なデータです。過度な不安にも過度な期待にも振れず、地に足のついた導入計画を立てるうえで参考になります。
出典:Google公式ブログ・2026/7
https://blog.google/innovation-and-ai/technology/research/understanding-the-ai-economy/
4.Google、Gemini向け新AI専用チップ「Frozen v2」を開発中
GoogleがGemini専用の次世代AIチップ「Frozen v2」を開発中と報じられました(The Information報道)。電力あたりのトークン処理効率は、最新のTPU比で6〜10倍になる見込み。投入は2028年ごろの予定で、既存のTPUを置き換え・補完しながらクラウド事業を強化する狙いです。AIのコストの大部分は結局「電力と計算資源」なので、自社で効率のよいチップを持つことは、Geminiの価格競争力に直結します。今回のFlash新モデルの安さの背景にも、こうしたハード面の内製化があると見ると腑に落ちる動きです。
出典:CNBC・2026/7/20
https://www.cnbc.com/2026/07/20/alphabet-googl-stock-ai-chip-report.html
5.Google、Geminiを使ったドラゴンクエストとのコラボ企画を開催
少し毛色の違う話題を一つ。Googleが7月21日、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」と生成AI「Gemini」のコラボ企画を発表しました。7月30日〜8月9日に渋谷・原宿エリアでリアルRPGイベントを開催し、各会場にスライムなどの巨大モンスターの立像が出現。Geminiを使って「メラゾーマ」などの呪文を唱えると、自分が勇者になった画像が生成され、モンスターに立ち向かう臨場感を体験できます。クエストを完了すると「ちいさなメダル」がもらえるとのこと。生成AIが一般消費者の遊びの中に自然に溶け込み始めた、その一例として紹介します。
出典:ORICON NEWS・2026/7/21
https://www.oricon.co.jp/news/2469071/full/
