これまでも会議を録画してマニュアルにする、という話はしてきましたが、今回はマニュアルではなくスキルそのもの——つまり、その業務をやってくれるエージェントまで作ってくれるところに来ました。どんどん便利になっている印象です。ただ、その精度がどこまで出るのかは気になるところです。
<ニュース概要>
Microsoftが8月4日、PC操作を録画するだけでAIのスキルを作れる「Skill Recorder」をGitHubで公開しました。画面操作を音声で説明しながら録ると、GitHub Copilot CLIが手順と意図を解析し、SKILL.mdというMarkdownファイルとして出力します。これをCopilot Cowork・Microsoft Scout・Copilot Studioに登録すれば、スケジュールやトリガーで自動実行が可能。MITライセンスで商用利用も可能です。
ここで一点、誤解しやすいところを補っておきます。「GitHubで公開」というのは、Microsoft 365の製品に新機能として組み込まれた、という意味ではありません。Microsoftがソースコードごと無償で公開した独立のデスクトップアプリで、使う人が自分でGitHubから取ってきて、自分のPC上に組み立てて動かす形です。したがって、Microsoft 365 Copilotの有料ライセンスを持っているだけでは、この機能は出てきません。管理画面のどこを探しても見つからないのは、そもそも製品の中に入っていないからです。
必要なのは、Microsoft 365 CopilotではなくGitHub Copilotのアカウントと利用権です。解析エンジンにGitHub Copilot CLIを使うため、ここは必須になります。動作環境はWindows 11(x64/ARM64)、macOS、Ubuntu。インストールは公式の手順に沿ってコマンドを1行実行すると、Node.js 24やElectronを自動で取得して手元でビルドしてくれる形式で、管理者権限は不要です。作ったビルドの再配布は禁止されています。
つまり「いつから使えるか」は、待っていれば降ってくるものではなく、GitHub Copilotが使える人が、今日その気になれば今日から使える、というのが答えです。逆に、経理や総務の担当者が自分の判断で入れられるかというと、GitHub Copilotの契約と、企業のポリシー次第でダウンロードがブロックされる可能性がある点で、情シスを一度通す前提で考えておくのが現実的です。
<あなたが明日からできること>
【バックオフィスはこう変わる】
手順書を書く仕事が、作業を録る仕事に置き換わります。これまで経理や総務の担当者が引き継ぎのたびに費やしていた「マニュアル作成」という工程が、いつも通り作業しながら録画するだけで済むようになり、空いた時間は例外処理や判断が要る論点に回っていきます。
【バックオフィスが押さえるべきポイント】
録画すればスキルになる、ということは、裏を返せば「今の非効率な手順」もそのまま固定されるということです。録る前に、その作業自体をやめられないか・順序を変えられないかを一度考えるかどうかが、効率化になるか属人化の温存になるかの分かれ目になります。
【今日からの5分トライ】
自分が毎月やっている定型作業を5分で3つ書き出し、「手順書がない」「自分しかできない」の両方に当てはまるものに印を付けてみましょう。その印が付いた1つが、最初に録画する候補です。
【中長期でこうついていく道筋】
まずは月次で回る低リスクな作業(資料の集計・定型のファイル整理など)から録画してスキル化し、動くことが確認できたら決算・申告まわりの周辺作業へ順に広げていくのが現実的です。対象範囲を広げるたびに、機密画面の扱いとレビュー方法を一段ずつ厳しくしていきます。あわせて、この「録画する側」を若手に任せていくと育成としても効きます。人に説明できるまで業務を理解しないと録れないので、録画してスキル化する作業そのものが、業務理解を深める訓練として機能します。
<出典>
出典:ITmedia AI+・2026/8/4
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/article/2608/04/2000000361/
