AIには渡せなかった「人による最終チェック」は、これからも残さなければなりません。ただ、AIの設計をうまくやって、この最終チェックをいかに減らすかが、いまの先端的な会計・税務AIの課題だと思っています。
<ニュース概要>
会計AI「Zeimee」を開発する株式会社Zeimeeの佐次本脩真代表は、2026年7月からエンジニア2人で広島県の税理士法人(顧問先2,000件超)に約1か月住み込み、証憑処理の仕組みを事務所の業務に合わせて作り替えた記録をnoteで公開しました(8月23日)。現場では日計表の変換、現金出納帳のチェック、TKCからマネーフォワードへの変換など、個別のツールもいくつも作っています。ある銀行の取引明細PDFの読み取りエラーは33件から1件まで減りましたが、0件にはなりませんでした(著者の実測)。AIに渡せなかったのは「紙の証憑の電子化」と「人による最終チェック」の2つで、最終チェックは税務の責任を人が負うためだといいます。
<あなたが明日からできること>
【バックオフィスはこう変わる】
会計ソフトをまたぐデータの変換やチェックは、専用の開発をしなくても作れるようになり、「ソフトが違うからできない」という壁はなくなっていきます。最後まで残るのは、AIが出した結果を人が確定し、その責任を負う工程です。
【バックオフィスが押さえるべきポイント】
差がつくのはAIの使い方のうまさではなく、現場から聞き出した「正解」をどこに置くかです。個人のチャット履歴に埋もれさせず、取引先ごと・業務ごとのルールや手順として業務の中に残す設計が要ります。住み込みでの専用開発でなくても、汎用AIと今の会計ソフトのままで、同じ考え方は実現できます。
【今日からの5分トライ】
最近AIに頼んでうまくいった作業を1つ選び、そのとき使った指示や判断のルールが、いまどこに残っているか(自分のチャット履歴の中だけになっていないか)を確かめてみてください。
【中長期でこうついていく道筋】
うまくいった指示や判断のルールを、取引先別・業務別の手順書や辞書としてチームの共有の場所に移していきます。毎月くり返す定型作業から始め、年に1回しか起きない例外処理などは、ルールにできるかを見極めながら範囲を広げていきます。
<出典>
出典:佐次本脩真「税理士事務所に1ヶ月住み込んで、会計AIを作ってきた話」(note、2026年8月23日)
https://note.com/shuma_sajimoto/n/n3824385dbdf2
ISAOの管理部門のAI導入事例
AIは、こうした小さな「動かない」でつまずきます。ISAOは、その先——実際の業務に
AIを乗せて回すところまでを、お客様の管理部門と一緒に進めています。
月次決算の工数を50%以上削減|東証グロース上場企業A社
少人数の経理財務部門で、決算業務を1本ずつAI化。外注に頼らず社内で決算を完結
できる体制をつくりました。(Claude Cowork/Microsoft 365 Copilot)
全社でAIを使わない日がない状態へ|医薬品・上場準備企業
ツールを配って終わりにせず、顧問として伴走。安全に使える環境の整備から
リテラシー向上まで。G検定の合格率は100%。
収益認識の判定をAIエージェント化|創薬支援CRO
月100件を超える契約の収益認識判定を、監査証跡を保ったままAIがドラフト。
ドラフト・レビュー工数を75%以上削減しました。
「AI管理部長」を数年かけて共同研究|東証上場のIT企業
管理部門の業務をAIが担う仕組みを研究。汎用LLMで足りる部分と、自社で作り込む
べき部分の線引きを実務で検証しています。
