<ニュース概要>
今週の中国系AIは、「安くて高性能なモデル」という従来のイメージを超え、AIエージェントの基盤、収益化、国家規制へと競争の範囲が広がったことを示す3つのニュースがありました。中国AIを単なるモデルの選択肢ではなく、業務基盤やデータ管理まで含めて見る必要が出てきています。

 

1.【注目】すべてがプラグイン、次世代エージェント基盤「DeepSeek Harness」

DeepSeekが、AIエージェントの実行基盤「DeepSeek Harness」を開発者向けプレビューとして公開しました。モデル、ツール、スキル、セッション、サンドボックス、保存領域、処理ループ、画面など、あらゆる機能をプラグインとして交換・再構成できます。AIが見た情報や推論、ツールの実行結果、サブエージェントの動きも追記専用ログへ記録され、実行過程を後から確認できます。

注目したいのは、AI競争の主戦場が「どのモデルが最も賢いか」から、「モデルをどのような環境で安全かつ継続的に働かせるか」へ広がっている点です。企業側も、特定モデルへ依存するのではなく、用途に応じてモデルやツールを交換できる設計を選びやすくなります。一方、現在は開発者向けプレビューであり、仕様変更や互換性の問題には注意が必要です。

出典:DeepSeek
https://deepseek.com/harness/en/

 

DeepSeek APIが最大12倍の値上げ、ピーク時価格も導入

DeepSeekは、DeepSeek V4 Proの正式リリースに合わせてAPI料金を改定しました。従来価格と比べ、V4 Proのキャッシュヒット時の入力料金は約12.1倍、キャッシュミス時は約3倍、出力は約4.5倍となりました。日本時間の午前10時から午後1時、午後3時から午後7時には、通常の2倍となるピーク時価格も適用されます。

これまで中国系AIの強みとして語られてきたのは、圧倒的な低価格でした。しかし、利用者が増えてモデルの競争力が高まれば、価格も変わります。企業でAPIを利用する場合は、現在の単価だけで採用を決めず、値上げ、時間帯別料金、キャッシュ利用率まで含めた原価管理が必要です。処理時間をずらす、複数モデルを使い分けるといった運用設計の重要性も増しています。

出典:ITmedia AI+・2026年8月13日
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/article/2608/13/2000000533/

 

中国発AIエージェント「Manus」がMetaから独立へ

中国発のAIエージェント「Manus」は、米Metaから分離し、再び独立企業として運営すると発表しました。Metaは2025年12月にManusを約20億ドル規模で買収しましたが、中国当局が取引の撤回を命じたことで、成立済みの買収を巻き戻す異例の展開となりました。

分離に伴い、Meta傘下だった期間に一部ユーザーが生成したデータは、規制対応のため8月23日から24日に削除対象となりました。対象ユーザーには事前のバックアップが案内され、8月25日以降に復元できる仕組みが用意されています。このニュースは、AIサービスの買収や国際展開が、企業間の契約だけでなく、国家の技術政策やデータ規制によって左右されることを示しています。業務で海外AIを使う企業にとっても、サービス継続性、データの保管場所、バックアップ方法を事前に確認しておく必要があります。

出典:ITmedia NEWS・2026年8月12日
https://www.itmedia.co.jp/news/article/2608/12/2000000508/

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