■ 結論:うまい頼み方を覚える時代は終わりました。いま必要なのは、やってほしい手順ではなく、達成したい目的を渡すことです。「9月1日から4日のPVを出して」ではなく「この施策が効いたのかを判断したい」。そのうえで「どんな案が考えられる?」と聞いて、出てきた案から選ぶ。この進め方に変えるだけで、返ってくるものの質が変わります。

 

■ 手順で頼むと、手順どおりのものしか返ってこない

先日、アクセス解析をClaudeにつないで、その場で分析させてみました。最初に出てきた指示が「9月1日から9月4日のPVを出して」でした。

これは間違いではありません。ただ、返ってくるのは数字だけです。その数字を見て何を判断するのかは、こちらの頭の中にしかない。だから毎回、自分で考え直すことになります。

言い換えると、手順で頼むと、AIは手を貸してくれますが、頭は貸してくれません。

 

■ 目的を渡すと、考えるところから手伝ってくれる

同じ場面で、「今週の動きが良かったのか悪かったのかを判断したい」「来店予約につながっている流入がどれか知りたい」と目的で渡すと、見るべき指標も、比較すべき期間も、出し方も、向こうが提案してきます。

コツは、具体的にしすぎないことです。「販売情報を集めたうえで、うちが取れそうなオプションを考えて」くらいのふわっとした渡し方のほうが、いい球が返ってきます。細かく縛るほど、こちらの発想の範囲から出られなくなります。

 

■ プロンプトエンジニアリングは、もう考えなくていい

少し前まで「うまい書き方」を覚える話がありました。いまはほぼ不要です。

代わりに、「こういうことをしたいんだけど、どんな案が考えられる?」と聞いて、出てきた案からベストを選ぶ。この繰り返しが、いちばん実務的な進め方になっています。仕事の進め方そのものが、書く技術から、選ぶ判断へ移ったということです。

 

■ 3つ案が出てきたときの、迷わない作法

案を出させると、たいてい3つくらい返ってきます。ここで止まる方が多いので、2つだけ決めておいてください。

・迷ったら、推奨されているものを選ぶ。だいたい妥当です
・中身が分からなかったら、「それぞれもう一度説明して」と聞く。選べないのは説明が足りないだけで、こちらの理解力の問題ではありません

 

■ 賢すぎるので、自社の事情はこちらから足す

もう1つあります。いまのAIは頭が良すぎて、放っておくと「一般論として正しいこと」を言ってきます。教科書としては満点でも、うちでは回らない、ということが普通に起きます。

なので「うちはこういう会社で、ここが制約で」と情報を足して、こちら側に寄せてあげる。AIを賢くするのではなく、自社の実情を教える。これが結局いちばん早い道です。

 

■ まとめ

・手順で頼むと手は借りられるが、頭は借りられない。渡すべきは目的
・具体的にしすぎない。ふわっと目的だけ渡したほうが、いい案が返ってくる
・うまい書き方を覚える必要はない。「どんな案がある?」と聞いて選ぶ進め方に変える
・3案で迷ったら推奨を選ぶ。分からなければ「それぞれもう一度説明して」
・一般論に寄ってきたら、自社の事情をこちらから足して寄せる

 

頼むのは手順ではなく目的。書く技術より、選ぶ判断です。

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