【要点】
・Slackのチャンネルで「@Claude」に頼むだけで、自分のGoogleカレンダーやGmailなどを使った作業まで指示できるようになりました。
・Claudeのサイト(claude.ai)を開かなくても、ふだんのSlackの画面がそのままAIへの指示の窓口になります。
・他の人が頼んだときに、自分のカレンダーやメールが使われることはありません。
・使う前に本人が承認し、結果は投稿前に本人が確認でき、記録は本人の名前で残ります。
詳細は以下のとおりです。
1.Slackから何を頼めるようになったのか
AnthropicのSlack向けClaude(Claude Tag、現在は正式版前の試験提供)に、「チャンネルで使う個人コネクタ」という機能が加わりました。
コネクタとは、ClaudeにGoogleカレンダーやGmailなどの外部サービスをつなぐ仕組みです。これまで、自分のアカウントにつないだコネクタ(個人コネクタ)は、Claudeと1対1でやり取りするときにしか使えませんでした。
今回から、Slackの部のチャンネルでも、次のような頼み方ができます。
・「私のカレンダーで、来週の月次決算の打ち合わせができる枠を出して」
・「昨日届いた監査法人からのメールを要約して」
・「このスレッドの議論をまとめて、私の名前でメールの下書きを作って」
チャットツール、カレンダー、メールを行き来していた作業が、Slackの画面の中で頼めるようになります。Slackが、Claudeを通して自分の道具を動かす、便利な操作画面になったと言えそうです。
2.どこで使い、どこで設定するのか
・ふだん使う場所=Slack(パソコンのアプリでもブラウザでも同じ)。チャンネルで「@Claude」に頼み、承認や投稿前の確認もSlackの画面で行います。
・コネクタをつなぐ・外す場所=claude.ai(Claudeのサイト)の「カスタマイズ」→「コネクタ」。
・一度決めた承認の方法を変える場所=Slackの中にあるClaudeアプリの「ホーム」タブ。
Teamプランでは、管理者が何も設定しなくても最初から使えます。Enterpriseプランでは、いつから使えるようになるかが、claude.aiの管理者設定の画面で確認できます。
3.共有の場で使っても大丈夫か
チャンネルは他の人も見ている場所です。そこで自分のカレンダーやメールにつながるAIを使うために、次の仕組みが用意されています。
・自分が頼んだとき=自分の個人コネクタも使えます。
・他の人が頼んだとき=自分の個人コネクタは使われません。
・Claudeが自動で動くとき(定期実行など)=個人コネクタは使われません。
初めて使うときには、本人にだけ見える確認が出ます。選べるのは「許可」「許可+投稿前に確認」「許可しない」の3つです。「許可」の場合も、給与・人事・顧客情報などの機密っぽい内容は投稿前に止めて本人に見せてくれます。ただし公式にも、このチェックは保証ではないと書かれています。管理部の依頼では「許可+投稿前に確認」を選ぶのが自然だと考えています。
内部統制の言葉に置き換えると、承認(誰がAIに権限を渡したか)、投稿前の確認(誰が見てから外に出したか)、本人名義の記録(後から誰が何をしたか追えるか)の3点が、最初からSlackの画面に組み込まれていることになります。
4.使い始める前に決めておくこと
・チャンネルごとに、経理・人事などの依頼をしてよいかを決める(投稿された結果は、チャンネルの全員が読めるため)
・管理部のメンバーは「許可+投稿前に確認」を標準にする
・チャンネル全体につないでいる連携と、その権限を一度見直す(こちらは誰が頼んでも使われるため)
おわりに
Slackが、AIに仕事を頼む入口になっていく流れは、これから強まる可能性があります。便利になるほど、誰の権限で動いたかを説明できるかどうかが問われそうです。
まずは、自分のカレンダーの空き枠を出してもらうところから試してみてください。
ISAO国際公認会計士事務所 加藤 勲
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