感想: 映画館での鑑賞。以前のこのコラムで「なんだか5.0はあげたくない」と書いた前作を「超える」と感じながら、今回も同じ4.5をつける。矛盾しているようにも見えるが、今回の4.5は前回と質が違う。前回の「なんだか」が迷いの4.5だったとすれば、今回は「確かにこれが4.5だ」という確信の4.5だ。

 

久しぶりに、時間を忘れて没入した映画だった。「続編とはあの世界観を壊すものだ」という防衛本能が働きながら映画館の椅子に座った。しかし本作はそんな心配を軽々と超えていった。気づけば終映まで一度も体を動かしていなかった。

 

このコラムを始めた理由の一つに「AI時代を生きるビジネスパーソンに、今だからこそ見てほしい映画を届けたい」という思いがある。本作はまさにその一本だった。2025年のスクリーンに映し出される課題が、AIが急速に普及しつつある今のビジネス現場と完璧に共鳴しているからだ。前作がスクリーンに映し出すファッションの美しさも圧倒的だったが、本作はそれをさらに上回っていた。「なぜ今、2を作ったのか」。その問いへの答えが、本作には込められていた。

 

AI時代への逆襲:効率化の「果実」を受け取る準備ができているか

 

AIによる業務効率化の恩恵を最も受けるのは、管理部門だと私は信じている。繰り返しの作業、データ入力、レポート生成。これらが自動化されることで、経理担当者や人事担当者は、おそらく週に数時間から十数時間の「余白」を手にするようになるだろう。

 

問題はその後だ。本作を観ながら私が強く感じたのは、「その余白で何をするかを、自分たちは決めているか」という問いだった。誰もが今、AI活用による業務効率化を目指している。しかし「効率化した後に何をするか」を真剣に考えている人は、まだほとんどいない。効率化

で生まれた時間を、さらなる効率化に充てるだけでは、人間はいつまでも本当の意味での豊かさにたどり着けない。

ファッション業界という、極めて人間的な欲求に根ざした世界を舞台に、本作は「効率化の外側にある豊かさ」を描く。美しいものを見て心が動く体験。時間を忘れる没入感。伝統的な美やファッションが持つ価値。これらはどれも、AIに効率化できないし、させてはいけないものだ。効率化しても、その先に「人としての幸せ」がなければ、ただ味気ないだけになる。

 

効率化の果実を受け取るには、「何のために時間を使いたいか」という答えを先に持っていなければならない。本作は、その答えを探すヒントを、華やかなスクリーンの中に隠している。まさに今のAI時代に見るべき映画だ。だからこそ今、2が作られたのだと私は思っている。