「AIを業務にどう適用すべきか」 を共有する必要性を感じたため、
AI利活用の基本フレームワーク3層を簡潔にまとめました。こちらはISAO完全オリジナルです!
お伝えしたいことは 3点のみとなります。
【1】AI利活用は「3つの層」をどう組み合わせるかで決まります
AI活用は、以下3層で構成されます。
① 公開形式知(AIが元々知っている知識)
財務・会計の基礎原則、世の中に出ている法律等
業界共通KPI
標準的な分析・判断のフレーム
👉 一般的なことは“何でも”AIは既に知っています。
② 会社固有データ(入力する事実データ)
PL/BS/CF、契約情報、WIP、顧客別データ
組織・人件費情報、外部市況
Slack/Teams に残る判断ログ
👉 ②があると、AIは“あなたの会社の状況”を理解します。
③ 会社固有文脈(判断のクセ・優先軸・非公開ノウハウ)
予実が狂いやすい理由
プロジェクト遅延の典型パターン
経営層の判断基準
経理財務でいう部長のレビューポイント
経企でいう部長のそのビジネスに特化した事業計画の勘所、ポイント
人事でいう採用の際にポイント、経験知
総務でいうCレベル以上とのコミュニケーションのポイント等々
👉 ③を与えると、AIが“あなたの会社らしく判断”できるようになります。
【2】Phase1でやるべきこと(重要)
Phase1 の目的は、
AIに②のデータと、③の文脈を与える準備を整えること です。
以下を各部門で進めていただけると助かります:
(A) 対象業務で必要な「②の会社データ」を洗い出す
例:
経理財務:PL/BS/CF、契約条件、監査指摘履歴
経営企画:予実・KPI・着地見込み
人事:採用データ、面接評価ログ
CS/営業:顧客別粗利、案件進捗
→「その業務をAIにやらせるなら、何のデータが必要か?」を考えるだけでOKです。
(B) 業務ごとに存在する「③の文脈(暗黙知)」を棚卸しする
例:
経理部長がレビューで必ず見るポイント
予算がズレる典型パターン
特定顧客の値引きルール
採用時の“うちの会社ならでは”の判断基準
→ 暗黙知を少しずつ形式知にしていくことが、AI活用の最大価値になります。
【3】簡単なイメージ(PL分析の例)
① 公開形式知(AIのデフォルト能力)
PL構造、粗利率の見方、単価×数量の分析など
👉 AIは分析の“型”を自動で呼び出せます。
② 会社固有データ
あなたの会社のPLを入力すれば、
AIは①の知識を使って“自社のPL”として読み解きます。
③ 会社固有文脈
「当社はMRRが8割」「販管費は期末偏重」「営業は楽観的」
といった文脈を加えると、
分析結果が一気に“あなたの会社らしい判断”に変わります。
【まとめ】
AIは①一般知識だけでも一定の出力ができます
しかし会社の実務に使えるレベルにするには②と③が不可欠です
Phase1では、各業務で必要な
「②必要データの洗い出し」+「③暗黙知の棚卸し」
をお願いします
AIエージェントの時代には、
“どの業務に③の固有文脈を付与すべきか”を理解している人ほど、圧倒的に成果を出せます。
Phase1 では、
①AIが既に知っていることを確認し、②必要な会社データを揃え、③暗黙知を形式知化する土台を作ること
を目的にしています。
これが、次のマルチエージェント化へ最短距離で移行する準備になります。
