直近のソフトバンクと楽天のAIフェスの両方で同じような日本の未来のセッションを個別に持ち、講演していたので、おそらくAI界隈で旬なのだろうと思い、眼鏡が特徴的な彼の考えをこちらでシェアしますね。参考になる点も確かにあるなぁとは思いました。
1. 日本の現状とユニバース25実験
アメリカの行動学者ジョン・B・カルフーンが行った「ユニバース25」では、マウスに食糧・水・巣材などが十分にあり、天敵もいない理想的環境を保障したにもかかわらず、引きこもりや同性愛等の繁殖行動が減少、社会機能の喪失を経て、最終的に出生率が低下し、個体群は絶滅した。
成田は、日本社会も似た状況にあると指摘。人口減少や社会的孤立が進み、活力を失いつつある。
2. 悲観的な見立て
日本は食料・エネルギーなどあらゆる面で自給が困難。
マウスのように「次世代への継承が途絶える」リスクを孕んでいる。
人口と、AI人口の逆転現象による脅威。世界的な人口は2050年頃に減少する予定に対して、今後AIエージェントは指数関数的に増えるだろう。
今のAI投資熱はバブル的で、PBR30倍・10兆円規模の資金がChatGPTに流れるのは異常。いずれは弾ける可能性は非常に高い。またこの投資を果たして回収できるのか不明である。
3. 楽観的な可能性
AI基盤開発に遅れていることを逆手にとり、コバンザメ的な戦略をとれば、1桁少ない1兆以下で効率的にAI基盤等を開発できるのではないか。また今までの日本の歴史上、何かを改善することは得意そう。
日本は「高齢化社会のトップランナー」であり、その課題解決をAIアプリなどで局所的に実装できれば、世界に先行する。
日本はかつて航空産業を断念したが、自動車や電子機器に集中し「Japan as Number One」となった歴史がある。同様にAI時代も得意分野に集中すれば、再び存在感を高められる。
限られた人口の中では「教育や人材育成の質」を上げるしかなく、むしろ効率化が進む。
人口は減っているのに、野球の大谷やサッカーの三苫、久保等の世界的に活躍する人は多い。それは、室星スポーツ長官が指摘するように、現代のアスリートは無駄を嫌い、合理性を追求する傾向にある。昭和のように「うさぎ跳びで子どもをふるいにかける」時代ではなく、指導の質が勝負となり、それを改善したきた結果とのこと。