経理財務部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める際、最大の壁となるのが「業務の棚卸し」と「どのAIツールをどこに適用するか」の検討です。
今回は、Googleスプレッドシート上で動作する**AI関数**を駆使して、複雑な医薬品業界の職務分掌作成から、具体的なAI活用プランの策定までをシームレスに完了させた事例をご紹介します。
## 今回のAI活用フロー:プロンプトから実装まで
今回の成果物は、ブラウザ上のGeminiと、スプレッドシート内のAI関数を組み合わせた2ステップで作成されています。
### STEP 1:Geminiで「職務分掌の土台」を一括生成
まず、専門性の高い「医薬品業×プライム上場企業」という条件を指定し、ベースとなる職務分掌をリスト化させました。
※例示なので、仮の職務分掌を作成しておりますが、皆さんが実務で行う場合は自社の職務分掌を元に作業ください
> **Geminiへのプロンプト:**
> 「東証のプライム上場している企業で、医薬品業の場合、経理財務部の職務分掌としてのってくる業務を漏れなくリスト化して、スプレッドシートで出して」
これにより、日次決算から研究開発費、リベート管理、J-SOX対応といった、業界特有の必須項目(A列:大項目、B列:中項目、C列:具体的な職務内容)が揃います。
### STEP 2:AI関数で「自動化プラン」をドラフト
次に、生成された各業務(C列)に対し、**「どのAIをどう使うべきか」**をAI関数で一気に書き出しました。
* **D列(Geminiで自動化できそうなこと)**
セルD2に以下の関数を入力し、下の行までコピーします。
`=AI(“C2の業務を、推論や生成が得意なGeminiで自動化する具体策を1文で提案して”,$C2)`
* **E列(NotebookLMで自動化できそうなこと)**
セルE2に以下の関数を入力し、下の行までコピーします。
`=AI(“C2の業務を、資料参照が得意なNotebookLMで自動化する具体策を1文で提案して”,$C2)`
※納得いかない回答であれば、更新して挿入というボタンを押すと再度生成してくれます
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## AI関数によるアウトプットの紹介
完成したスプレッドシートでは、AIが各業務の性質を瞬時に判断し、適切なAIの使い分けを提案しています。

1. **「適材適所」が瞬時に判明:** 推論が得意な「Gemini」と、社内規程や契約書の読み込みが得意な「NotebookLM」の使い分けが、AI関数によって自動的に整理されます。
2. **思考のショートカット:** ゼロから「何を自動化できるか」を悩む必要がありません。AIが出したドラフトを、人間が「採用するか・しないか」判断するだけで実務が前に進みます。
3. **スプレッドシート内で完結:** ブラウザを行き来することなく、使い慣れたシートの上で、関数のコピー&ペーストだけで検討が完了します。
## 結びに:AI関数が「経理の設計図」を書き換える
これまで「職務分掌」は、ただの管理用ドキュメントでした。しかし、AI関数を組み込むことで、それは**「どの業務がAIによって代替・拡張可能か」を示す、進化し続けるDXロードマップ**へと変わります。
このスピード感と網羅性を、ぜひ皆さんの現場でも体感してみてください。
