― 収益認識「一定期間認識」の問いで比べてみた ―

生成AIを「調べ物」から「実務思考の相棒」に使う場面が増える中、**MS Copilot ノートブック**と**NotebookLM**は、どちらも「資料を前提にした思考支援ツール」として注目されています。

今回は、会計実務でよくある次のプロンプトを投げて、両者を比較してみました。

 

 

> **「一定期間認識の要件ってなんだっけ? また保管業務だとどう整理される?」**

### 結論サマリ

* **アウトプットの結論自体は、正直そこまで大きく変わらない**
* ただし

* **MS Copilot ノートブック**は「手順を編集する」ことで*エージェント的な追加指示*を組み込めるのが強み
* **NotebookLM**は「根拠条文の可視化」と「Studio機能の使いやすさ」で、現時点では一歩リード
* とはいえ、**MS Copilot ノートブックも急速に差を詰めてきている**印象

以下、具体的に見ていきます。

 

 

## 両者の回答内容:実務的な差はあるか?

### 一定期間認識の要件

両ツールとも、収益認識基準第38項に基づく**3要件**を正確に整理しています。

* 便益の同時受領・消費
* 顧客が支配する資産の創出・増大
* 代替用途なし+支払請求権あり

ここは**結論・構造ともにほぼ同等**で、実務的にそのまま使える内容です。

### 保管業務の整理

こちらも両者とも、

* 保管業務は
**「保管し続けることで顧客が便益を逐次享受するサービス」**
* よって
**要件①(便益の同時受領)に該当 → 期間配分で収益認識**

という結論で一致しています。

👉 **純粋な“答えの正しさ”という意味では、優劣はほぼなし**です。

 

 

## MS Copilot ノートブックの強み

### ―「手順を編集する」はエージェント的発想に近い

MS Copilot ノートブックで特徴的なのは、
**「Copilot の手順を編集する」**という設計思想です。

* 回答の前提となる考え方
* 重視してほしい観点(監査対応/条文重視/実務寄り など)
* 出力形式(論点→結論→根拠、など)

これらを**追加プロンプトとして“常駐”させられる**ため、

> 「このノートブックは
> *監査法人説明用の収益認識整理をするAI*」

のように、**エージェント的な性格付け**ができます。

これはNotebookLMにはあまりない強みで、
**業務フローに組み込みたい人ほど効いてくるポイント**です。

 

 

## NotebookLMの強み

### ― 根拠条文 × Studio のユーザビリティ

一方で、現時点での完成度という意味では、NotebookLMに軍配が上がります。

### ① 根拠条文がそのまま見える

* 「この結論、どこに書いてある?」
に対して、
* **該当箇所を明示した形で回答が返ってくる**

これは、**会計・法務・規程解釈**の世界では非常に強い。

> 「AIが言っている」
> ではなく
> **「条文上こう書いてある」**

に一瞬で変換できる点は、実務上の安心感が段違いです。

### ② Studio機能がとにかく使いやすい

NotebookLMのStudioは、

* インフォグラフィック
* スライド作成
* FAQ化
* 音声/動画解説

といった再構成が**直感的かつ高速**で、
「考えながら形にする」体験が非常にスムーズです。

 

 

## 総評:現時点の勝者と今後

### 現時点では…

* **NotebookLMがやや優勢**

* 根拠提示の明確さ
* Studioの完成度
* 実務アウトプットへの即効性

### ただし…

* **MS Copilot ノートブックは確実に追い上げている**

* エージェント的な指示設計
* Microsoftエコシステム(Excel / Word / Teams)との親和性

特に、

> 「自分の思考スタイルを覚えたAIに、
> 毎回同じ前提で考えさせたい」

という用途では、**Copilot ノートブックの伸び代はかなり大きい**と感じます。

 

 

## おわりに

「どちらが正しい答えを出すか」ではなく、
**「どういう思考をさせたいか」「どこまで根拠を要求するか」**で使い分けるフェーズに入ってきました。

現時点ではNotebookLMが一歩リード。
ただし、MS Copilot ノートブックは**“実務エージェント化”という別ルートから、確実に距離を詰めてきています**。

この競争、まだまだ面白くなりそうです。