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東証グロース上場企業

月次決算の工数を50%以上削減
―― Claude活用で「外注に頼らない経理」へ

東証グロース市場に上場する企業であるA社。少数精鋭の経理財務部門が、月次・四半期決算の一部を外部に委託しながら、上場企業水準の開示を支えてきました。ISAO国際公認会計士事務所(以下、ISAO)は、公認会計士が伴走する形で経理業務を1本ずつAI化。外注に頼らず社内で決算を完結できる体制づくりを進め、月次決算の工数を50%以上削減しました。

企業名
A社(東証グロース上場)
支援内容
経理業務のAI化(AI導入コンサル)/IT統制・セキュリティ設計/業務ナレッジのAI化
導入ツール
メイン:Claude Cowork/サブ:Microsoft 365 Copilot
主な成果
月次決算の工数を50%以上削減/外注依存の低減/属人化の解消

課題・背景 ―― 外注依存と属人化からの脱却

A社の経理財務部門は、上場企業として求められる月次・四半期決算や開示業務を、少人数の体制で担ってきました。定型的な仕訳作成や決算周辺業務の一部は外部の会計支援先に委託しており、相応の外注コストが継続的に発生していたほか、業務の進め方が担当者や外注先の頭の中に留まる「属人化・暗黙知化」も課題でした。

折しも外注契約の更新時期が近づき、経営としては「人を増やす」よりも「AIで内製化する」ほうが合理的ではないか、という問題意識が生まれていました。求めていたのは、単なるツール導入ではなく、次の3つを同時に実現することでした。

ISAOを選んだ理由 ―― 「会計が分かるAI導入支援」であること

経理のAI化で最大の懸念は、「もっともらしいが誤った成果物」をAIが作り、それに気づけないことです。仕訳や決算はミスが許されない領域であり、AIの出力をそのまま信用するわけにはいきません。

ISAOの強みは、AIに詳しいだけでなく、公認会計士を代表に持つ会社として、上場企業を含む豊富な会計支援の知見を持つ点にあります。「どの業務をAI化すべきか」「AIの出力が会計的に正しいか」「監査に耐えうる品質か」を会計の目線で判断できるため、現場は安心してAIに任せる範囲を広げられます。加えてISAOは、AIを安全に使うためのIT統制・セキュリティ設計まで一体で支援できる体制を用意していました。

そこで両社は、次の4ステップで進める伴走型の導入を採用しました。

  1. AIレクチャー:AIで何がどこまでできるのかを経営層含む会社全体と共有し、進め方の合意を形成する
  2. F2F(対面)実演:実際の業務データを使い、Claudeが仕訳ドラフトを作る様子を対面で実演する
  3. 担当者の自走:型ができた業務からメンバー主導でAI化を進め、活用を現場に定着させる
  4. 公認会計士品質でのレビュー:上場企業を含む豊富な会計支援の知見をもとに、監査に耐えうる品質でAIの成果物をレビュー。そのレビューポイントを形式知として残し、AIに反映していくことで品質を継続的に担保する

「作って終わり」ではなく、経営層の理解づくりから現場の自走、公認会計士品質でのレビューまでを一続きにした点が、意思決定の速さと安心感につながりました。

導入して得た効果 ―― 月次決算の工数を50%以上削減

月次決算で繰り返し発生する定型仕訳を一つずつAI化(スキル化)していった結果、月次決算にかかる工数は50%以上削減されました。従来は担当者が手作業で作成していた仕訳を、AIが元データからドラフトとして出力し、人はその内容をレビューして承認するだけ――という流れに変わったためです。

50%以上
月次決算工数の削減
内製化
外注依存の低減
形式知化
属人化の解消

効果は工数削減にとどまりません。

さらに、レビュー体制そのものにも良い変化が生まれました。これまで仕訳を手作業で作成していた担当者が、会計士の目線でAIスキルをしっかり作り込む役割を担うようになり、従来その成果物を確認していた担当者は二次レビューに回れるようになったのです。二段構えのチェックが働くことで、これまで見つけきれなかった誤りにも早い段階で気づけるようになり、決算プロセス全体がより確かで効率的なものへと変わりました。

使用ツールは、メインにClaude Cowork、サブにMicrosoft 365 Copilotを採用。少人数のライセンスから始め、環境整備・IT統制設計とあわせて安全に業務利用できる形を整えたうえで展開しました。

今後の展望 ―― メンバー主導のAI活用と、さらなる領域への拡張

導入初期はISAOが主導して「型」をつくりましたが、現在は経理財務のメンバーが自らAI化を進め、ISAOはそのレビューと難所の設計を担う体制へと移行しつつあります。AI化のノウハウそのものが社内に蓄積され、外注に依存しない「自走する経理」への転換が進んでいます。

今後は、月次で回っている定型仕訳のAI化をさらに広げるとともに、四半期・年次の開示周辺業務やレビュー業務へもAI活用を拡張していく方針です。AI化を通じて形式知化された業務ナレッジは、いわば「AI版の引き継ぎ書」として、人材の交代や組織変更があっても品質を保ち続ける基盤になります。

ちょっとした裏話 ―― 「正しく間違えないAI」をどう設計したか

経理業務のAI化で本当に難しいのは、AIに仕事をさせることではなく、「会計的に正しい成果物」を安定して出させることです。A社の現場では、公認会計士を代表に持つISAOならではの設計思想がいくつも盛り込まれています。

レビューを効かせる工夫が特徴的です。仕訳を出力するExcelの中に、あえて「レビュー用タブ」を同じファイル内に組み込みました。別ファイルでレビューすると、その数値が本当に仕訳データから来たものか検証できません。同一ファイルにしてセル参照でつなぐことで、レビュー担当者が実データと直接突合でき、「お互いにチェックしやすい」構造にしています。

一方で、「あえてAI化しない」判断も会計士の役割です。たとえばリバース(洗替)仕訳は、基幹システム(SAP)の自動リバース機能で処理できるため、スキル化の対象から外しました。ストックオプション(新株予約権)やリース資産(ROU)といった論点の多い領域は、一本ずつ丁寧にスキル化していきました。「作るべきもの」と「作らなくてよいもの」を会計の目で仕分けることが、内製化をシンプルに保つコツです。

こうして一つひとつ積み上げたAIスキルは、これまで担当者や外注先の頭の中にあった暗黙知を、誰でも再現できる「形式知」へと変えていきました。AI化は、単なる効率化ではなく、会社の業務ノウハウそのものを資産として残す取り組みでもあるのです。

経理業務のAI化・内製化のご相談は、ISAO国際公認会計士事務所まで

公認会計士を代表に持つ会社として、AIの安全な業務利用環境の設計から成果物のレビューまでを一貫してご支援します。

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