MicrosoftがOffice(Word, Excel, PowerPoint)に「Agent Mode(エージェントモード)」を導入。CopilotチャットではAnthropicモデルを使った「Office Agent」も登場し、ドキュメント生成やスライド作成がプロンプトで可能に。
https://www.theverge.com/news/787076/microsoft-office-agent-mode-office-agent-anthropic-models
なぜ注目か
・「vibe working(vibe codingのOffice版)」という表現を用い、コード不要で高度なドキュメント作成を実現する理念。
・ExcelでのAgent Modeは、プロンプトから複雑なスプレッドシートを生成。処理過程も可視化され、監査性・検証性にも配慮。
・Office Agent(Copilotチャット内)はAnthropicのモデルを活用、リサーチから構成・スライド生成までハンドリング。
・ExcelのAgent Modeは、SpreadsheetBenchベンチマークで57.2%の精度を達成(人間の71.3%にはまだ届かず)
・現時点ではWeb版が対象(デスクトップ版は後日対応の見込み)
・また、MicrosoftはOpenAIモデルに加えてAnthropicモデルを取り込む方針を明示。複数モデルを組み合わせた最適構成を模索中。
ビジネス視点からの示唆
生産性革新の波
従来は手作業で設計・データ入力していた報告書・分析資料処理が、プロンプト主導型で大幅に効率化される可能性。
ガバナンスと信頼性の重要性
AIが生成する処理の透明性や検証可能性(監査可能性)は、企業での採用において必須要件となる。
モデルの多様化戦略
MicrosoftがOpenAI以外(Anthropic)モデルも積極採用する動きは、AIプラットフォーム競争の観点からも興味深い。
段階的導入リスクと期待
Web版先行リリース、精度の限界もある現状を見据えて、導入はパイロット運用 → 検証 → 拡張というステップが現実的。
戦略的な差別化要素
Officeの優位性を維持・強化するため、Microsoftは「AIを内包したOffice体験」をコア戦略にしつつある。