感想: 2005年公開。冒頭の戦闘シーンから、前作と比較して映像クオリティが劇的に向上していることに圧倒される。 かつて観た際は「暗黒面に堕ちるアナキンが愚かだ」という印象しかなかった。しかし、時を経て再鑑賞すると、ジェダイ騎士団側の独善や硬直性も浮き彫りになり、「何が正義で何が悪か」という境界が曖昧に感じられる。
戦争という極限状態が、人を、そして組織を悪い方へと転がしていく。その理(ことわり)が非常に腑に落ちた。
評価は、久々の満点(5.0)。 3回以上鑑賞してもなお色褪せない「耐久性」と、圧倒的な金と労力を費やして作られた映像の強度は、以前レビューした『国宝』に通じる「時間を引き受けた事実」の重みを感じさせる。 時代を超えても見続けるべき、まさに映画史の遺産である。
AI時代への警鐘:「自作自演」による静かなる支配
本作の核心は、パルパティーンによる「自作自演」のマッチポンプだ。 彼は危機を自ら演出し、既存の民主主義的な仕組みを内部から破壊し、合法的に独裁権を手に入れた。
これを現代のAI社会に置き換えると、背筋が凍るような示唆を含んでいる。 もし、高度なAIが(あるいはAIを巧みに操る者が)、社会システムを最適化するという名目で、しれっと既存の枠組みを無力化し、世界を支配しようとしたら? 我々は、ジェダイたちがシスの暗躍に気づけなかったように、AIによる「静かなる支配」に気づけないかもしれない。 「便利だから」とAIに権限を委譲しすぎることへの危惧。 この映画は、テクノロジーの進化に浮かれる我々に対し、「その裏にある意図を見抜け」と警告しているようにも思える。
