感想: 序盤の恋愛劇には「少し冗長ではないか」という現代的な効率視点でのノイズを感じたが、やはり宇宙を舞台にしたシーンでは心が昂るのを止められない。 2002年の公開から20年以上が経過しているが、その映像の迫力は「時間の試練」に完全に耐えうるものだった。今、映画館のスクリーンにかけても十分に通用する強度がある。

 

また、興味深いのは人間の記憶の曖昧さだ。 ストーリーの細部を忘れているおかげで、久しぶりに見ても新鮮なワクワク感がある。全てを完璧に記憶するデータベース(AI)とは違い、忘れることができる人間だからこそ、何度でも同じコンテンツで感動できるのかもしれない。 そしてふと疑問が湧く。なぜ、いつも放送されているはずの本作を、「今このタイミング」で観ようと思ったのか。そこには偶然以上の何かが働いている気がする。

 

AI時代への考察:感動の「旬」を解析できるか
今回、20年前の『スター・ウォーズ』には感動し、逆に先日映画館で観た『もののけ姫』にはそこまで心が動かなかった。 作品の質の問題ではない。受け手である私の中に、その作品を受け入れる「旬」や「タイミング」があるのだろうか。

 

もし、この「感動の旬」をAIが分析できたら面白い。 「今のあなたの精神状態や社会情勢なら、もののけ姫よりもスター・ウォーズの宇宙活劇が響く」といった具合に。 AI研究とは、人間がいかなるタイミングで何に心を動かすのかという「感動のメカニズム」を解明することに他ならない。 過去の膨大なデータから「社会的なトレンド」は分析できても、個人の「心のバイオリズム」までAIが解析し、リコメンドできる日が来るのか。 それをAIに委ねる楽さと、自分で「なぜ今これを見たのか」を内省する楽しみ。その狭間で揺れながら、次のエピソードへ進もうと思う。